エネルギー戦略

欧米の石油王手にとって、アメリカのトランプ大統領流に乗る事は、中長期的にはリスクにもなります。アメリカ大統領の在任期間は、長くても最長8年なのに対して、地球温暖化対策は、桁違いに長期の取り組みです。環境対策をおろそかにすると、いずれしっぺ返しを受けかねない。先進国の機関投資家らが関わる英国の非政府組織(NGO)、CDPがまとめた欧米石油11社の環境リスク評価が最近、話題を呼びました。保有する化石燃料の資産や、精算時の温暖化ガス排出量、再生エネ事業などで評価した。首位のスタイトルや2位の伊エニを始め、上位5社は欧州勢。米国勢はエクソン10位、シェブロン9位など下位に甘んじた。金融機関や機関投資家が近年注視しているのが、事業活動の炭素排出量を公表する「カーボン・ディスクロージャー」。排出量取引制度や炭素税といった形で企業の負担が増える可能性がある。こうしたリスクに対応出来ない企業を投融資の対象から外す傾向が強まっている。足元では、トランプ大統領の打ち出した政策が業績の拡大につながるとして、米国のシェール関連企業の株価は上昇した。だからと言って、これからも勝者であり続けるとは限らない。

 

出典 「日本経済新聞 2017年1月31日」 より 抜粋

 

目先の2~3年の動向と、数年後・10年後の動向と、両方の視点から考えて行く必要がありますね!