島しょ国

地球温暖化による海面上昇で、太平洋やカリブ海などの島しょ国は、水没の危機にさらされている。その一つ、ツバルは9つの環礁からなり、面積26平方キロメートルに約1万人住む。海抜は、最高5m程度と、海面が上昇すれば国の存在が驚かされる。

「台風の巨大化や異常気象による水不足などの影響もあり、住民が暮らすのが難しくなっている」と世界自然保護基金ジャパンの小西雅子・気候変動・エネルギー・プロジェクトリーダーは話す。

国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCが2014年に公表した第5次評価報告書は、今世紀末には海面水位が最大82センチに上昇すると警告した。

16年に発効した温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は産業革命以降の気温上昇を2度より十分低く抑えるだけでなく、1.5度未満を目指すとの努力目標も島しょ国主導で盛り込まれた。

米国によるパリ協定からの離脱表明への失望は大きく、ツバルのソポアンガ首相は「米国は小さな島国を見捨てようとしている」と非難した。同じ島国である日本も、海面上昇で砂浜の9割が失われるとの予測がある。

 

出典 日本経済新聞7月2日 抜粋

 

地球が危ないという記事が目に留まりました。全世界参加の気候変動に対する取り組みが待たれます。